【2009.3.4 旧ブログから筆者転載】
エルサレム旧市街に位置する「神殿の丘」 Al-haram ash-sharif, Har haBayit, Temple Mount は、預言者アブラハム Abraham が息子イサク Isaac を神への犠牲として捧げようとした場所、また預言者ムハンマド Muhammad ibn 'Abdullah が大天使ガブリエル Jibril, Gavri'el, Gabriel に導かれ一晩だけ天に昇り神に会ったとされる場所であり、ユダヤ教・キリスト教およびイスラム教のいずれにとっても重要な意味を持つ聖地のひとつである。
the Western Wall (=the Wailing Wall, left) and Al-Aqsa Mosque(right)
しかし、紀元前10世紀にソロモン王 Slomoh, King Solomon がここに設けたエルサレム神殿 Bet HaMikdash, Holy Temple は、西暦70年にローマ帝国によって破壊され、唯一残された神殿の西の城壁 HaKotel HaMa'aravi, The Western Wall に当たる部分が、ユダヤ教の聖地「嘆きの壁」 The Wailing Wall となった。その後、かつてエルサレム神殿のあった場所には7世紀にイスラム教の神殿「岩のドーム」Masjid Qubbat As-Sakhrah, The Dome of theRock が、またその南側には8世紀初頭に「アル・アクサー・モスク」 al-Masjid al-Aqsa がそれぞれ建立され、何度かの改築・修復を経て今に至っている。
Qubbat as-Sakhrah, the Dome of the Rock
al-Masjid al-Aqsa, al-Aqsa Mosque
これら敷地内の施設は、現在も毎日ムスリムの祈りの場所として活用されており、観光客は限られた時間帯にしか出入りが許されていない。その限られた時間のなかで「どこかに特別な匂いのする場所はないだろうか?」とあっちをうろうろ、こっちをうろうろしながら、ようやく探し当てたのが、
アル・アクサー・モスクの少し開いた扉から漂ってくる薫香の香りと、そこから岩のドームに向かう参道(?)沿いに生い茂る木立のあたりに漂う、森厳たりながらもやわらかくやさしい香りだった。
おそらくは、香炉で焚かれていた乳香に加え、強い日差しを受けて緩み揮発した針葉樹の樹脂(おそらくはマツ科 Pinaceae の、ヒマラヤスギ属 Cedrus やビャクシン属 Juniperus などのものかと思われる。ちなみに3000年前にここに建てられていたエルサレム神殿には建材としてヒマラヤスギ Cedrus deodara が用いられていたとのこと)が、日陰の石畳や木陰をわたる涼しい風に乗って届いてきたのだろう。
それとも、苑内の随所に植えられていたオリーブの木からも、なにかいい香りがしていたのかもしれない。
Olive tree near the Dome of the Rock (left) and its fruits (right)
ということで、エルサレムの香り第1弾「Temple Mount, Jerusalem - 神殿の丘にて」は次のような組み合わせにしてみた。ブレンド比率は、甘めがお好みの方はシダーを多めにするか安息香(ベンゾイン)をほんの少しプラスして、また辛めがお好みならタイムの代わりにローズマリーやユーカリプタスを使うなどして、ご調整願いたい。
Recipe / Recettes :
- 乳香(フランキンセンス、オリバナム)精油 Frankinsence (Olibanum) E.O.
- ホソイトスギ(サイプレス)精油 Cypress E.O.
- シダーウッド・アトラス 精油 Cedarwood Atlas E.O.
- タイム・リナロール 精油 Thyme linalool E.O.

[gandha]