今回はトルコ航空でカイロ入りしたため、カイロ空港についたらどんな匂いがするのだろうと楽しみにしていたのですが、拍子抜けするくらい何の匂いもしませんでした。そのあと、レンタル携帯電話を探すうちに疲れて、もういいや、とタクシーに乗り込んだとき、そのバックミラーにつるされていたのがココナツの匂いのする Air Freshner でした。
車用の芳香剤と言えば、日本でも大麻の葉っぱの形をしたのを車内につるしているお子様方やお嬢様方たちがおられますが、機能としてはあの類いのものです。それも最初は単にこのドライバーさんの趣味なんだろうくらいに思っていたら、そのあと対向車や隣のレーンの車なんかをぼんやり見てると、けっこう多くの車が似たようなのをつるしているのが見えました。

そういえば、前エントリで書いた上エジプトの町で泊まったホテルの部屋も、ドアを開けるなりポワーンとココナツの香りが漂ってきたし。部屋には芳香剤が見当たらなかったので、たぶんルームメイキングの最後にスプレーでもしていったのでしょう。
もちろん、その手のココナツ臭が天然ものであるわけなど、もちろん無く。とてもケミカルでくどい匂いなので、およそ日本にいる時にココナツタイプの芳香剤なんてものを買って嗅ぐこともなかったのですが、そのときふと気付いたのは、
そのケミカルココナツ臭の中に、ベンゾイン(安息香)やバニリン(バニラの香りの主成分)と似た匂いがけっこう強めに混じっていたことでした。ベンゾインやバニリンは、まっさきに嗅覚細胞をゆさぶるトップノート系ではなく、控え目であっても長いあいだ香りが持続するベースノートに分類されます。それゆえ、サブリミナルに近いレベルでの鎮静効果を持っている(と私は勝手に思っている)ため、化学合成であってもそれに近い要素が混ぜられていると、「この匂い、なんか落ち着くんだよね~」みたいになるのかな、なんてことを思いました。
とはいえ、そのあと街を歩いていたら街角からふとココナツ臭が...ということは一度もありませんでした。ヤシ型の植物はいたるところに生えていましたが、たぶんココヤシではなくパームヤシで、ココナツが生活に密着している、という感じも特にはしませんでした。それともどこかにココナツの名産地でもあるのかな。どなたかエジプトに行く機会があったら、タクシーにぶらさがってるエアフレッシュなーを観察してみてください。もしかすると単に今ちょっとはやっているだけで、数年後は「おひさまの匂い」とかなんとか、もっと不思議なものに変わっているかもしれません。

[gandha]