今しも開花の季節を迎えようとしているタイサンボク(Magnolia grandiflora)。クチナシと並んで、日本の初夏の宵闇を独特のうっとりした陶酔感のある甘い香りで彩ってくれる、隠れた名脇役の一人です。今日紹介するサンタマリアノヴェッラの最後のアイテムは、タイサンボクと同じモクレン科モクレン亜科に属するマグノリア(Magnolia x alba DC.、シノニム M. longifolia Blume)の花の香りのオーデコロンです。
- IT: Santa Maria Novella, Acque di Colonia "Magnolia"
- EN: Santa Maria Novella, Eau de Cologne "Magnolia"
- JP: サンタマリアノヴェッラ オーデコロン 「マグノリア」
しかし残念ながらマグノリアの花から採れる精油はほんとうにわずかで、たとえばフローラム社の「マグノリアフラワー・エッセンシャルオイル・」は、5mlで約1万円と気が遠くなるほど高価です。(もしかして円高で値下げしているかも... 最新価格はこちらでご確認ください。)
そ のため、手作り石けんの材料などとして主に用いられるのは合成香料になるわけですが、これがもうピンからキリまでありまして、マグノリア好きの私は各社が 出しているマグノリア香料をたくさん取り寄せて試した結果、「こんなに予算をかけるなら最初からエッセンシャルオイルを買っておけばよかった...」と後 悔せざるを得ないほど、そのほとんどが自然な香りとはかけ離れたものが多かったです。
その点、サンタマリアノヴェッラのマグノリア・オーデ コロンは、トップノートはややパウダリーな印象の強いフローラルトーンですが、おもしろいことに吸い込んだ息をゆっくり鼻から吐こうとすると、鼻腔の中で あのマグノリア特有の丸く甘い豊かな香りが、一抹の切なさとともにふわっと広がるのです。おそらくは体温による蒸散速度の微妙な差によるものと思われます が、「香水は頸動脈や手首など血管が近くを通って体温が高めのところにつけるべし」と昔から言われてきたのはこういうことがあるからなのかなあ、と得心い たしました。
また、本来の使い方とは異なるので決してお勧めはいたしませんが、寒い冬、体も心も芯まで冷え切ったときには、温かいお風呂に ハチミツを50g、塩を30gほど溶かしよく混ぜた上で、水面にむかってこのコロンをプシュッとひと吹きしておくと、とたんにいつもの風呂場がヒーリング 効果満点の楽園に早変わりしますよ。これと同じような方法で私がハッピーな効果を得られたオードトワレは、あとはロクシタンの「チェリーブロッサム」「ハ ニー&レモン」あたりでした。
[gandha]