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偶然とはなかなかに手ごわいものである。私が人生で初めて新韓国国立中央博物館の3階まで辿りついたその時、最初に目に飛び込んできたのが「新安香爐(香炉)」の企画展であった。はやる胸をおさえポスターをよく見れば、展示期間は2008年10月28日から2009年9月28日と書いてある。あと1週間訪韓がずれていれば私は一生、この部屋にある出土品たちと出会う機会がなかったかもしれない。


Exhibition "Shin-an Hyan-no", National Museum of Korea

東アジアの香文化に関心を持つ方なら周知の通り、

植民地時代に朝鮮総督府が置かれた建物(現在は撤去済み)でかつて展示を行っていた韓国国立中央博物館が、漢江のほとり二村の広大な敷地へと移転・開館して、はや数年が経つ。昨年はじめて新博物館を訪れながら時間が足りず悔しい思いをした私は、今回こそと出張の空き時間を何とかやりくりし、2日に分けて念願の再訪を果たすことができた。

ソウルの地下鉄4号線イチョン駅2番出口を出てまっすぐ東に進むと、左手に博物館へとつづく道が見えてくる。敷地内にある大きな池を時計回りにゆるやかに辿れば、左に劇場、右に展示館を擁する巨大な博物館の本館が姿を現す。


National Museum of Korea - Gateway and Main Building

展示館の入口をはいったところにあるアトリウムから建物の東端までを貫く中央通路は、すべて天窓から空が見える吹き抜け構造になっている。展示館は3階建てといっても各階の天井がとても高いため、天窓は通常のビルなら5~6階に相当するくらいのところにある。かくして展示館を訪れた者は入口をはいったその瞬間から、柔らかな光と静謐さに満ちた巨きな空間に抱かれ、一種独特の非日常感・高揚感とともに展示室へと向かうことになる。


Atrium and Corridor

さてこの博物館、1階部分(考古館・歴史館)の見どころと言えば、

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