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2009年4月 7日 05:41 AM

いつか来た道。


たとえば、自分が産まれてまもなく暮らしていた場所から、ものごころつく前に遠く離れて今くらしている誰かが、「あの町での記憶なんてなにもないよ」と言ったとして。

でも、その「産まれ故郷」でその人が無事に産まれスヤスヤ眠ったりにっこり笑ったりするのをまわりの大人たちが涙の出るほどうれしい思いで見守っていた、その中で誰かに手をひかれて初めて自分の足で歩いた道があったとして。

その道はその人にとって、「いつか来た道」に入る、のかどうか。

あるいは、地図と記憶によれば間違いなく数十年前と同じ場所を歩いているはずなのに、都市開発で道がズレたり広がったり、また田んぼだったはずの場所に大きなビルや見知らぬ新興住宅地がならんでいたとしたら、それでもその道は「いつか来た道」に入る、のかどうか。

2009年4月 6日 02:27 AM

抽象名詞にも、匂いはある。いや、匂いのあるものもある、と私は思っている、というべきか。

その言葉を耳にしたときの、あるいは口にしたときの、それとも強く心に引っ掛かりながら口には出せなかったときの、無意識ながら感じていた何ものかの匂いがあれば、まずはそれが思い出されよう。またそういう最大公約数的な匂いや臭気が外部に実存していなかったとしても、ある言葉に向き合った時の鼻腔のまわりの血流や温度がきゅっと変化する感覚を繰り返し体験する中で、それが時に、あたかもなにか香りのあるものを嗅いだときの感覚となんだか似ている、と感じることがある。

...こうして文字にしてみると奇妙な感じだが、本能的な感覚の話というものがそもそも合理的なせりふ回しと相性が悪いのであって、それは私のせいではない。のだ。たぶん。

では練習問題。「責任」の匂いは?

2009年3月22日 01:27 PM

他にやることがいろいろあるときに限って、降りてきてくれちゃうステキなアイディアの神様。もうちょっと僕がヒマなときに来てくれても、いいんですよー。なんていうと、気を悪くするかな。降りてきてくれて、ありがとー。せっかくだからここにメモしておきますねー。今回のは、あまりにもよくできてしまって、自分でもちょっとびびっています。アイディアの神様もきっと、このブレンドを嗅いでみたかったんでしょう。

ブレンドの名称 - Name of the Blend - Nom de ce Mélange : Δάφνη - Daphne

ブレンドのタイプ - Category of Fragrance - Catégorie de Parfum : Floral

おすすめシチュエーション - Suitable for - Convient pour : Early Spring - le Début du Printemps

材料 - Ingredients - Ingrédients :

2009年3月16日 12:23 PM
昼休み、なのになー。あーあ。

何かを嘆く時間さえなくしてしまえば、
嘆きそれ自身も消えてなくなる、

...わけないですよね。
残り時間がほんとうになくなろうとするとき、
そのすべてを嘆きではなく喜びに充てることができるようになるには多分、
思いのほか不断のトレーニングが必要なのだろうなあ。

たとえば今ひとつだけ、精油の瓶を開けていいとしたら、僕は何を選ぶだろう。
あるいは、ここではない、今ではない遠いところへ今すぐ再び旅立つとして、
ひとつだけ、持っていける永達の花束を選んでよいとしたら、

...それはフリージアだな。間違いなく、それなら後悔しない。
優柔不断の僕がなぜか決然と答えられる、不思儀にも珍しい設問。
白い花は上等の胡椒の香リ、黄色い花はレモンティーキャンディの香り、
だからひとつの花束でも、 白と黄のミックスにしたいんだけど、

それくらいなら許してもらえるかな。



明日(いや、もう今日か)は朝が早いので早く寝なきゃと思いながら、なんとなく寝付かれず。じゃこの時間を利用して追加でクリームベースの材料を融かし合わせておけば明日から新しく練り込み段階に入れるし、そういえば買ったままちゃんと聴いていなかったCDもあったから、そんなのぼんやり流してればいつの間にか寝てるでしょ、なんて思って何気なく再生スイッチを入れたところ、入っていた CD は Antony and The Johnsons の I Am a Bird Now 。... 無理。これで眠るのは無理。

ありがちなことに、私も彼、というか彼女、というか、ともかくこの人の The Crying Light のジャケットを見て呼吸を奪われ、衝動買いした口です。ふつう、そういう衝動買いをすると、んー、やっぱりさー、期待してたほどじゃなかったかもだよねー、だから衝動買いはやめようって前にも思ったじゃーん、みたいになりがちな私なのですが、とにかくこの人のは違う。しかもそれが、予想していた方向に、ほら!ね!これこれ!的なヒットではなく、...え?こっちじゃなくて、そっち方向からですか?みたいな、思いもかけない角度でもって、予期せぬタイミングに無限の暗き淵と永遠のほのかな光明を垣間見せてくれたりするもんだから、もう実に気が抜けないわけです。


最近あんまり音楽を聞いて驚くということのなかった私が、どうしてこの人の作品にそれほどまでの意外性を強く感じるのかなあ。もしかすると、

2008年8月12日 06:57 PM

【2009.8.30 旧ブログから筆者転載】

 訳あって先週、自分の体から親指程度の体積の肉を、皮膚を含め切除。傷口は縫合するのかと思いきや、担当医師からは縫わずに自然な組織蘇生を待とうとの提案。手術後約一週間にして出血はほぼ止まるも、傷口にあてたガーゼはいまだに数時間たつと薄黄色い液体でじっとり重く濡れ、うっかりすると衣服や寝具についてしまうので、日に何度かの交換を繰り返しながら今に至る。

 看護士さんの説明では、これは滲出液 exudate といって、本来なら体の中をめぐっている血液や組織液が、傷口を癒すために変化してしみ出してきたものらしい。なんてことだ。日ごろ不摂生でいじめてばかりいる自分の体が、けなげにも日夜、自己蘇生のため必死に頑張っていると思うと、ありがたいような申し訳ないような気持ちになる。

 さて。このブログは、匂いのブログ。読者各位におかれましては、すでにお察しのとおり。嗅いでみました。というと悪趣味に聞こえますが、いやでも匂ってくるのだから致し方ない。

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